「ディスる」とは相手を馬鹿にしたり、軽蔑、けなす、侮辱するといった意味で使われる用語です。
英語で尊敬を意味する「リスペクト」(respect)に、否定・反対の接頭辞である「ディス」(dis)を付けた「ディスリスペクト」(disrespect)から由来しています。
稀にですが「disる」とか「でぃする」「ディする」という表記も見かけます。
自分が誰かを侮辱すれば「ディスる」ですし、他人からだと「ディスられた」といったように使います。
他にも以下のような表現があります。
- ディスった
- ディスってる
- あの人があなたをディスってたよ
- それ彼をディスってるよね?
- ディスってんの?
- ディスりまくり
ネットの世界では掲示板の「2ちゃんねる」(現・5ch)などで少なくとも2000年代前半から使われており、長らくは2chの他ツイッターなどのSNSや、ニコ生などの生主が使用するにとどまっていましたが、2014年頃からはネット以外にもテレビや雑誌でも見かけるようになり、2018年現在では有名タレントも使うなど一般にも広まってきています。
多くのネット用語は10年も経過すると死語になる事が多い中、「ディスる」については継続して使われて、且つネット以外にも広く浸透した非常に珍しい用語と言えます。
以下ではさらに踏み込んで、発祥であるアメリカと日本のヒップホップ界でのディスについて見ていきましょう。
「diss」の発祥アメリカ
ディスの元ネタについて記事の最初でも触れましたが、英語で尊敬の意味があるrespect、そしてそれを打ち消す接頭辞のdisを組み合わせた「disrespect」(ディスリスペクト)が語源となっています。
これは和製英語ではなく実際にアメリカでも使われていて、綴りは「diss」表記されることが多いです(disだと接頭辞と被ってしまうためだと考えられます)。
もともとはアメリカのラップやヒップホップなど音楽の世界から広まった言葉で、歌詞の中に誰かをディスる内容を書くのが流行り、ディスられた相手はそれに対する反応や答えを「アンサーソング」として発表することもありました。
90年代はディスが元で訴訟や抗争に発展するどのトラブルも多々見られますが、現在ではそれほどの激しいディスり合いは無くなりつつあります。
日本の音楽業界での「ディス」
日本でもラップやヒップホップ界でもディスりはありますが、それほど事が大きくなることはない傾向にあります。
日本国内では受けない文化と言えるかもしれませんが、過去に「Dragon Ash」の降谷建志(kj)さんとラッパーのZEEBRAさんの間で、今でも暗い影を落とす出来事がありました。
ラッパーのZeebraさんが所属するキングギドラが、2002年に発表したアルバム「最終兵器」の収録曲「公開処刑 feat.BOY-KEN」にて降谷建志さんを名指しで痛烈に批判(ディスり)しました。
もともと仲の悪い人同士であればラップでの「ディス」だと割り切れたかもしれませんが、降谷さんはZeebraさんをとても尊敬しており、1999年に大ヒットしたDragon Ashの名曲「Grateful Days」でも一緒に作詞作曲を行うなど、これまで良好だった関係が一気に崩れ去る事となりました。
他のグループや個人のミュージシャンが誰かをディスる事も時々ありますが、予定調和というかあらかじめお互いで決められているという節が見えますが、上記は本気で行われたと言う意味でも、それまでの人間関係を考えても一番の衝撃的な出来事といえます。
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